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産地レポート Vol.9「オーサワの飛騨まろみ料理酒」

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産地レポート:オーサワの飛騨まろみ料理酒
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名古屋駅から特急に乗って下呂駅まで一時間半。深い青緑色に反射する川が流れ、荒々しい巨岩が連なる美しい渓谷の脇を電車が進んでいきます。下呂駅に着くと雪が舞っていました。そこからさらに車で15分ほど行った先に、趣ある蔵構えの天領酒造がありました。

  
ここが「飛騨まろみ料理酒」の製造元です。飛騨の自然と人情を愛した初代の心意気を現在の八代目まで脈々と受け継いできたという天領酒造。米は飛騨特産の酒造好適米「ひだほまれ」、水は飛騨山脈からの地下水と、地元産にこだわっています。

酒造りの工程は、精米作業からはじまります。米の芯の白い部分を酒造りに使うのですが、酒の種類によって精米歩合いを変えます。吟醸酒などは40%位になるまで削りますが、料理酒に使う米の場合は旨み成分を多く残すため80%位までしか削らないそうです。
これらの米を洗い、蒸す。そして酒造りの正念場ともいえる麹造りを行います。その麹と蒸米、天然水、酵母によって、酒の種となる酒母(しゅぼ)を造り、大きなタンクにうつします。

そしてさらに、蒸米、麹、天然水が3度に分けて加えられます。これを「もろみ」と呼び、求める酒の味になるまで、温度などの状態を細かく管理しながら発酵させていきます。その後濾過して、酒粕などの固形物を取り除き、熟成、ビン詰めされていきます。
訪問した時は、仕込みを行っている段階でした。

もろみの状態を見せてもらうため、タンクの上に上らせてもらいましたが、花のように甘く芳しい香りが一面漂っていました。
料理酒となるもろみは、仕込みから20日ほどたった状態でした。蒸し米、麹、水を二度に分けて加えた段階で、これから三回目となる最終仕込をし、発酵をさせていきます。
料理酒用の酒の仕込は、通常の日本酒の仕込を終えてから行ないます。
少し気温があがってきた頃に仕込むようになるため、もろみの発酵が早まり、旨味成分がより多く作りだされるのだそうです。

  

他のタンクに仕込まれている、通常の日本酒のもろみが、プクプクと盛んに泡をだして発酵しているのに比べ、料理酒用のもろみはまだひっそり静かです。それでも、じっと見ていると、たまにプク〜と泡が一つ二つとあがってきて、何かの合図を送ってきているかのようでした。なんとも言えないやさしい小さな音です。

もろみが発酵している音を「ぜひ夜に聴いて欲しい」と言われましたが、想像するだけでも素敵だと思いました。
タンクのもろみを特別に試飲させていただきましたが、まさに米のエキス。米そのものがもっている甘みや旨味がたっぷり詰まっていました。そしてなにより、その華やかな香りに驚愕しました。

  

「もろみの状態は、米の出来や気温などによって、毎年微妙に異なる。原料や気温のせいにしてしまうのは簡単だが、それは違う。すべての状態を見極め、それにいかに対応して自分の思い描く酒をつくるかが私の仕事だと。」片桐杜氏(※)は語る。
21歳で酒造りに世界に入り前杜氏のもと、酒造りに対する想いと技を学びながら15年。一昨年新杜氏となられました。
天領酒造では、全国新酒鑑評会で四年連続金賞を受賞しています。五年連続金賞受賞の期待を背負い、緊張感を絶やしません。
一方、出品用の日本酒以外にも、もちろん同様に気を配っています。「一つだけいい点とって後はそれなり…より、全てが平均点以上とれるように、もっていきたいのです。」
伝統を大切に守りつつ、いまの時代にあった日本酒もつくっていきたいと意欲を語っていただきました。
「酒づくりは、いかに米の味を引き出すか、につきます」シンプルだが、たくさんの想いがつまった言葉をつぶやいた。この杜氏によって、この蔵によって、飲んでもおいしい「飛騨もろみ料理酒」ができあがります。

※杜氏(とじ):酒を作る職人。また、酒造り職人衆をとりしきる長

取材/綿貫

【天領酒造商品情報】

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